ムスリムの食事ってどんなの?

ムスリムとは?

ムスリムとはアラビア語で神に帰依するものという意味で一般的にイスラム教徒のことを指します。ムスリムになるには証人となるムスリムの前で信仰告白をする必要があります。ムスリムは六信五行を実践する必要があり、父親がムスリムの場合、子は自動的にムスリムになります。世界50か国前後でイスラムは多数派を占めていて、世界ではおよそ11億人のムスリムがいると推定されています。ムスリムの信徒は平等であり、聖職者や僧侶といった教徒間の階級が存在しません。六信とはアッラー、天使、コーラン、預言者、来世、予定を信じ、五行とは信仰告白、礼拝、喜捨・断食、メッカ巡礼を行うことである。現在のムスリムはスンナ派が多数派でシーア派は一部に限られています。

ムスリムの食事の基本とマナー

イスラム教にはハラールという許されている行為、物とハラームという禁じられている行為、物があります。食べモノにもハラールフードとハラームフードがあり、ハラームフードは食べてはいけません。詳しくは後述しますが一般的にハラールフードの基準として天然であること、肉類はハラールミートであること、見た目や感触が不快感を与えないなどがります。ハラールミートとはハラールの飼料で飼育され、供養の儀式にのっとって屠殺処理した肉のことです。簡潔にまとめると安全、良質、清潔、高栄養の食品ということになります。

ハラールフードとハラームフード

ハラームフードの代表格は豚とアルコールです。豚は雑食性で不衛生な環境で飼育されるので不浄な動物として食することは禁じられています。アルコールは酔うと自制心を失い、危険な行為に及ぶ可能性があるとして禁じられています。豚肉だけではなくハムなどの加工品、豚のエキスが入ったスープ、豚肉を調理した油で炒めた野菜なども禁止されています。お菓子などに使用されているショートニングも人工的な脂肪として禁止されています。ゼラチンの入ったデザートも食べてはいけません。つまり豚肉と豚肉に由来する食べ物は全て禁止です。醤油、みそ、マヨネーズなど原料にアルコールが使用されている調味料も禁止です。遺伝子組み換えの野菜なども禁止です。ちなみに日本では消費者向けの遺伝子組み換えの野菜は栽培されていないので国産の野菜であれば安心して出すことができます。

主なハラールフードはなに?

ではハラールフードにはどういった食品があるのでしょうか。まずハラールミートの鶏肉、牛肉、羊肉などです。卵や乳製品も食べれます。ただ、不浄なエサで飼育されていた場合は肉はもちろん、卵もNGです。そして自然な状態で作られた魚やエビです。フグも毒を取り除けばOKです。新鮮な海鮮料理は全てハラールと考えて問題ありません。ただしイカ、タコなどは見た目から不快感を覚える人も少なからずいるので接客するときは注意してください。天然物のキノコやコショウ、ピーナッツなどもハラールです。そして無農薬で栽培された野菜や果物です。天然水や水道水、ハラームの成分が含まれないソフトドリンク、果汁100%のジュースも大丈夫です。

ハラールフードでも…ムスリムの食事には注意が必要!

ハラールという戒律は神が定めたので基本的には同じです。ただ、細かく見ると宗派や文化、個人によってどこまで厳密にハラールを定めるかの解釈は分かれます。一度でも豚肉に触れた食器は使いたくないという方もいますし、非ムスリム国の中にはハラール認証されていない肉を食べていいとしている方もいます。このようにいくらハラールを勉強しても個人の価値観まではわかりません。一番安全なのは本人に直接聞くことです。聞いて不快に思う方はいないでしょうし、そのほうがお互い気持ちよく食事ができるのではないでしょうか。もちろんハラールの中にもダメな場合が存在します。それを詳しく見ていきましょう。

鶏肉や牛肉とはいえ…!?

イスラム教では豚肉は厳密に禁止されていますが、牛肉や鶏肉はどうなのでしょうか?答えはイスラム教のルールに従って屠殺された肉であれば大丈夫です。まずはその肉の餌にハラールに違反した食べ物が入っていないこと、屠殺は必ずムスリムがアッラーの名を唱えて行う、血を抜いてから解体するなどのルールに従っている肉なら大丈夫です。ただし日本国の施設で一般的に行われている方法で処理された肉はほとんどがNGです。ムスリムが日本で食事をする際はハラル認証を得ている飲食店に行く必要がります。ハラル認証とは専門家のお墨付きのお店で安心してムスリムが食事をすることができます。

魚も全てが大丈夫なわけではない!?

魚や貝などの魚介類は基本的には大丈夫です。ただし、シーア派の中にはうろこのない魚はハラームだとする方もいっらしゃいます。またハラームとは関係ないですが生魚に慣れていない人の中にはお刺身やお寿司を個人的に嫌がる可能性はあります。前述のようにイカ、タコ、ウナギを敬遠する方も多いです。また豚肉を炒めた油で炒めた魚もNGです。醤油もNGのためお刺身なども醤油抜きで食べる必要があります。以上のことからわかるように素人の日本人がムスリムに食事を提供するのはかなり困難な作業ならざるを得ません。安全を喫するのならハラール認証を受けているお店に連れて行くのがベターです。

遺伝子組み換えの野菜もNG!

野菜や果物は無農薬に限られ、添加物が入っていたり、遺伝子組み換え食品もNGです。ハラルフードの基準として天然のものであることという点があるのですが、遺伝子組み換えはこの点をクリアできません。現在日本に流通している遺伝子組み換え食品には大豆、トウモロコシ、ジャガイモなどがありますがすべて輸入品です。ですから国産品だけを使用していれば少なくとも遺伝子組み換え食品を食べないという点だけはクリアできます。議論の余地はありますが遺伝子組み換え食品は健康に悪いと主張する学者もいるので遺伝子組み換え食品をさけることは日本人のためにもなるかもしれません。

ハラール認証付きの食材を選ぼう!

先ほどから何度か述べていますが現在の日本でムスリムに完全なハラール食品だけを提供するのは至難の業です。そこでお勧めしているのがハラール認証を受けている食品やレストランです。ハラール認証とは専門団体による認可を受けてる製品やお店のことです。ただムスリムのオーナー、またはシェフがいること、アルコールを販売しない、すべての食品、調味料がハラル商品であることなどの基準をクリアする必要があり、なかなか難しいのが実情のようです。まだまだ日本では少ないですがオリンピックに向けて認証を受けようとする動きが活発化することが期待されます。ハラルフードにはムスリムが食べてよいとする以外の側面があります。それは安全で体に良い食べ物ということです。神の教えによる食物がそもそも体に悪いはずはないのです。健康に良いという側面を上手く国民にアピールできれば日本でも広がっていく可能性があると思われます。

アルコールには最新の注意を!

アルコールは飲料としては禁止されています。また消毒用アルコールや発酵過程でアルコールが発生する醤油やみりん、味噌などもNGです。またアルコールを調味料に使用することもできません。つまり味噌汁はNGということです。こう見てくると日本人はアルコールに囲まれた食生活をしているのですね。次にアルコールを使用して調理した調理器具、食器、キッチンも使用不可です。日本食は醤油やみりんで味付けることが多いのでかなり厳しいのではないでしょうか。実際ハラル認証を受けているお店ではムスリム用のキッチンを別に分けているところもあるようです。ただ、宗派などによって考えは変わるので中には一定の濃度以下なら気にしない方も中にはいます。ですから料理をする前に本人に確認を取ることをお勧めします。

よくある食品の質問

最後によくある料理に関する質問にお答えしようと思います。国際交流が活発化していく中で海外の人に対する正しい知識はとても重要ですしそれがなければ真の相互理解などはありえないでしょう。この記事をしっかり読んで今後の生活にお役立てください。

卵は使っても大丈夫?

卵や乳製品は基本的には大丈夫です。しかし、不浄な餌で飼育された鳥の卵はNGですから気をつけましょう。しかしお店で売っている卵がどのような餌で飼育されているのかを私たちが知るのは非常に難しいのでわからないのならトラブルを避けるためにも使用しない方が無難です。勿論ハラム認証を受けている卵なら問題はありません。

パンは出しても大丈夫?

パンに関してですが、端的に言えばハラームな成分を含まないパンなら大丈夫です。しかし、目の前のパンにどんな成分が含まれているかを完全に知るのは不可能に近いでしょう。つまりよほどの自身がない限りは出さないほうが無難です。もちろん本人に聞いてOKが出たなら大丈夫です。このようにわからない食品の場合は本人の意向を聞くのが一番です。

まとめ

ムスリムはアルコールや豚肉の摂取を禁じられていて、食べていい食材と、そうでない食材に分かれているので食事を出すときには本人に確認を取りましょう。また専門家のお墨付きのハラール認証を受けている商品を出すのも選択肢の一つです。このように世界の人々の間では文化の違いなどが沢山あるのでお互いが勉強をして、認め合うことが相互理解につながっていくのだと思われます。

関連記事

  1. ピーナッツアレルギーは治る!?

  2. イスラム教の人が食べているハラルフードとは?ハラル認証についても

  3. ブルーベリーアレルギーの症状は?花粉症との関係も徹底解説!

  4. カフェインアレルギー

  5. 五大栄養素

  6. タンパク質不足?ビーガンやベジタリアン必見の高タンパク質な食材