乳製品は体に悪い!?乳製品断ちの10の効果や好転反応・デメリット

乳製品をやめるとはどういうことなのか?

乳製品を止めるという健康法を最近ちょくちょく耳にします。いったいどういった効果があるのでしょうか?そもそも乳製品とは動物の乳、特に牛の乳を加工して作った製品の総称で牛乳やヨーグルト、チーズ、バター、クリーム、アイスクリーム、ヤクルト、などです。どうでしょうか、すべてを止めるのは中々大変そうですね。牛乳は専門家の間で体に良いのか、悪いのか論争が多い商品ではあります。しかし、多くの専門家は基本的に特定の食べ物を止めることを推奨しません。なぜならどの食べ物にも体に欠かせない栄養素が含まれているからです。乳製品を止める健康法もメリットもあれば当然デメリットもあります。それぞれを検討して決めてみてください。

乳製品断ちで起きる効果【6つのメリット】

まずは乳製品を止めることで得られるであろうメリットを6つ紹介します。これだけ世間に広まるのだからそれ相応のメリットがあるのは当然ですね。では具体的にどういったメリットがあるのでしょうか?紹介していきたいと思います。

1.頭痛が減るかもしれない

まずは乳製品を止めると頭痛が治るという話です。これは恐らくチーズに含まれる天然の化学物質チラミンの影響でしょう。人によってはチラミンによって偏頭痛を起こすことがあるのだ。頭痛に頻繁に悩んでいる人はチーズを食べるのを止めると頭痛が治る可能性はある。ただし、逆効果になることもある。乳製品にはビタミンB2が豊富なのだがビタミンB2が不足すると逆に偏頭痛の原因になってしまうのだ。もし仮に乳製品を止めるのであれば、キノコやアーモンド、ホウレンソウなどでビタミンB2が不足しないように確保する必要があります。

2.肌が綺麗になるかもしれない

お次は乳製品を止めると肌が良くなるというお話し。乳製品を止めれば皮膚の状態が向上するのは事実です。乳製品にはホルモンが含まれているのですが、これが人間のホルモンと反応して、皮膚の皮脂生成を増加させます。それが毛穴のつまりの原因になるのですね。ですから、乳製品を止めると皮膚の見た目と感触が良くなるという理屈です。しかし、綺麗な肌やニキビを防ぐ大前提は栄養バランスの採れた食事です。乳製品を止めて、栄養バランスが崩れたら元も子もないので、乳製品を止めるのであれば、今までよりも食生活には気を使いましょう。

3.お腹の張りがなくなるかもしれない

牛乳を飲むとお腹が張ると訴える人は多く、ある報告では日本人の20%がお腹が張るので牛乳を飲んでいないそうです。さてではなぜ牛乳を飲むとお腹が張るのでしょうか?それは牛乳に含まれる乳糖という糖分を分解する力が弱いためです。乳糖を分解する酵素が体質として無いか、働きが弱いため、乳糖をエネルギー源として利用できない人が牛乳を飲むと下痢やお腹の張りを訴えることになります。これは体質の問題なので牛乳が原因でお腹が張る人は牛乳を止めればお腹の張りは治ります。体質的に関係がなく、別の原因でお腹が張っている人は止めても影響はありません。

4.がんを患うリスクが減るかもしれない

さて、乳製品を止めるとがんのリスクが減るという話だが、この件については断定はできません。なぜなら肯定するにはデータが不十分であり、否定するにもデータが不十分だからです。雑誌などで見かけるがんのリスクが減る、もしくは増えるといった報道は一方の意見を持つ学者の意見だけを掲載して、反論を一切掲載しないという手段をとっていることがほとんどなので注意が必要です。なお国立がん研究センターは現時点ではデータが不十分とコメントしています。ですから現時点ではどちらを信じるかは個人の自由というしかありません。一人一人が自分で考えて行動してください。

5.痩せるかもしれない

乳製品抜きダイエットは確かにあるようです。しかし、根拠を調べてみると、乳製品には多くの糖分が含まれていて糖分は血糖値を上げ、脂肪を溜め込む原因になるということのようです。糖分はいろいろな食品に含まれていますが、なぜ乳製品だけを止めるのでしょうか?その辺は良くわかりません。確かに糖分を摂りすぎるよりは適切な量にした方が痩せるのは事実ですから、乳製品を過剰に摂取している人が乳製品を抜いたら痩せるということはあるかもしれません。ただ乳製品を最初から適切な量しか摂取していない方が止めることで痩せるかどうかはわかりません。

6.気持ちが落ち着くかもしれない

先ほども書きましたが乳製品にはエストロゲンなどのホルモンが含まれているため、乳製品を食べるとこのホルモンも摂取することになります。するとこの摂取されたホルモンが元々体内にあったホルモンと混ざり、急激な気分の変化が生じる可能性があります。乳製品のカットでこのような気分の変化を避けることはできるかもしれません。ただし貴方の気分の落ち込みや変化が乳製品のホルモンが原因であるという証拠はないため、止めても何も変わらない可能性ももちろんあります。乳製品を止めてプラシーボ効果で気分が良くなる可能性もあります。

乳製品断ちで起きる効果【5つのデメリット】

さて、これまで乳製品を止めると起こる可能性がある、比較的良いことについて論じてきました。もちろん悪い話もあるのでこちらも検証してみましょう。世間で出回っている乳製品を抜くデメリットは5つほどあります。

1.タンパク質が足りなくなるかも

乳製品から摂取できる主な栄養素はやはり良質なタンパク質です。タンパク質は筋肉を作り、骨や器官の正常な働きを助けます。私たち日本人は世界的に見てタンパク質が不足しているといわれています。恐らく牛肉などの摂取量が欧米と比較して少ないからでしょう。そのうえ大事なタンパク質の供給源である乳製品を止めればタンパク質の不足のリスクはさらに高まるでしょう。仮に乳製品を止めるのであれば、毎日かなり意識的にタンパク質を摂取する必要性があります。アーモンドやキヌアなどで積極的に補うようにしましょう。不足すると抵抗力が弱くなり、様々な病気のリスクが高くなります。

2.病気にかかりやすくなるかもしれない

乳製品を抜くと、タンパク質の不足で免疫が弱くなることは前述しましたが、もう一つ、ビタミンB12の不足も考えられます。乳製品に多く含まれているビタミンB12は免疫系統をコントロールし、体の抵抗力を強くする役割があります。乳製品を抜いてビタミンB12が不足すると免疫系が弱くなり、病気にかかりやすくなるリスクがあるので、ビタミンB12が摂取できる食べ物を積極的に食べて欠乏症にならないように注意してください。最終手段でサプリメントからの摂取も考える必要があるかもしれません。その点は医師に相談してください。

3.必須栄養素が欠如するかもしれない

今まで乳製品を抜くとタンパク質、ビタミンB12が不足するリスクについては書いてきました。乳製品は健康的な食生活のための重要な構成要素の一つです。上記のほかにもカルシウムやビタミンDが豊富なので、乳製品を抜くとこれらの栄養素が不足リスクは出てくるでしょう。ですからカルシウムは魚、ビタミンDは植物性ミルクなどで補いましょう。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので一緒に摂取するようにしてください。このように乳製品を止めるとかなり食生活に気を使わなければいけなくなります。栄養不足にならないよう注意してください。

4.脳卒中のリスクが高まるかもしれない

乳製品を摂取すると脳卒中のリスクが減るというデータがあります。乳製品を摂ると最大血圧値が低下することが原因だと思われます。原因としてはカルシウムの摂取でナトリウムが腎臓から排出されやすくなるからだと思われます。日本人はナトリウムの影響で血圧が上昇する人がかなり多いようです。もう一つはカルシウムによる血小板凝集抑制作用が原因だと思われます。血管を詰まらせる血栓はどのようにできるのでしょうか。それは血管の損傷部分に血小板が凝集し、それをフィブリンというタンパク質が囲んでいきます。そこに赤血球などが集まってサイトカインをだして炎症を引き起こし、それが血栓になります。カルシウムが不足するとカルシウムが溶け出し、血液中のカルシウム濃度が高まり、血栓の形成を助けるのです。つまり、カルシウムの摂取で血栓の形成を最初の段階で抑制することになります。

5.離脱症状がおきるかもしれない

乳製品を摂取すると脳卒中のリスクが減るというデータがあります。乳製品を摂ると最大血圧値が低下することが原因だと思われます。原因としてはカルシウムの摂取でナトリウムが腎臓から排出されやすくなるからだと思われます。日本人はナトリウムの影響で血圧が上昇する人がかなり多いようです。もう一つはカルシウムによる血小板凝集抑制作用が原因だと思われます。血管を詰まらせる血栓はどのようにできるのでしょうか。それは血管の損傷部分に血小板が凝集し、それをフィブリンというタンパク質が囲んでいきます。そこに赤血球などが集まってサイトカインをだして炎症を引き起こし、それが血栓になります。カルシウムが不足するとカルシウムが溶け出し、血液中のカルシウム濃度が高まり、血栓の形成を助けるのです。つまり、カルシウムの摂取で血栓の形成を最初の段階で抑制することになります。

【結論】乳製品は体に悪いのか?

乳製品が体に悪いということはありません。いくつかデメリットを上げてきましたが、デメリットがまったくない食物があるのでしょうか?どんな食べ物にもメリットとデメリットがあります。ですからバランスよくいろいろなものを食べるのが大事なのです。

乳製品断ちが良いという確かな情報はない

乳製品が体に悪いことを示すデータは比較的少ないといえます。むしろ良いという情報のほうが多い状況です。もちろん真偽はデータの量で決まるわけではありません。大切なのはデータの中身です。しかし、考えてみてください。体に悪い製品を人間が長い歴史の中で食べ続けるということがあるのでしょうか。そんな生物はとっくに滅びているでしょう。歴史というテストに乳製品は耐えてきたのです。もちろん乳製品をやめて体の調子が良くなる可能性はゼロではありません。この記事をよく読んで比較検討して、止めるというのは個人の自由です。

乳製品に頼らず別のアプローチを

あなたはどうして乳製品をやめようと思ったのでしょうか。ダイエットが目的の方は楽して痩せられると思ったのではないでしょうか。はっきりといえば楽して痩せられるということは絶対にありえません。どんな方法でも苦労はします。ダイエットの王道は良く運動をすることです。毎日しっかりと運動をして、バランスの良い食事をしているのに痩せないという方はお医者さんに相談してみるのも良いかもしれません。乳製品抜きでがんのリスクが減るということに関しても現時点ではデータ不足であり、がんのリスクが減るという観点からみれば、アルコールや煙草をやめた方がリスクが減るというデータは豊富です。アルコールと煙草を続けながら、乳製品を止めるというのは楽して健康になりたいという甘い考えではないのでしょうか。

プロフィール

松田 千波(Chinami Matsuda)管理栄養士ブロガー兼ライター
管理栄養士として委託会社での病院勤務、障がい者施設経験を持つ。心理学、がんの栄養学、栄養士の働き方についてSNSとブログで発信中。

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