イスラム教の人が食べているハラルフードとは?ハラル認証についても

ハラルフード=イスラム教の人が食べてよい食べ物

Halal (日本ではハラルまたはハラール) はイスラム教の教えにおいて食べて良いとされる食べ物です。逆に禁止されている食べ物はハラムと言われます。

ハラルな主な食べ物

ハラルは食べることが許されている食べ物で多数あります。野菜、果物や穀物はハラルですので基本的にお肉を使わない料理は問題ありません。つまりベジタリアン食はハラルと考えて差し支えありません。
また動物性食品のなかでも魚や卵、乳製品もハラルになります。家畜も禁止されている豚肉以外はハラルに則った屠殺方法で処理されれば問題ありません。

絶対ダメ!ハラム(禁じられている)な食べ物

ハラルフードの解釈は宗派や地域また個人によっても異なりますが全面的に禁止されているのが2点、豚肉とアルコールです。その2点については事項で詳しく解説します。また上記でも述べたようにイスラムの方式に従った方法で屠殺されていない食肉も禁じられています。動物の血液もハラムに該当します。

豚肉は絶対NG!

まずは豚肉です。
豚肉はイスラム教の聖典に”けがれるもの”としてタブー視されておりイスラム教徒から忌み嫌われています。単に食べないだけでなくその考えも徹底しており、豚肉から派生したものもすべて禁止されています。豚由来の抽出物(スープ)や食品添加物もNGになります。また化粧品などにも豚由来のコラーゲンなどが入っていることがありますので食品以外にも注意が必要です。

アルコールも絶対NG!

もう1つがアルコールです。
アルコールは聖典クルアーンでタブーであると記されており全面的に禁止されています。飲酒だけでなく料理工程での使用も禁止されています。発酵により作られる醤油やみりんなどの調味料またアルコールを使うケーキなども注意が必要です。アルコールはイスラム教のなかでも解釈がことなるようで厳格な地域では消毒や化粧品などに含まれるアルコールも避ける地域もあります。

ハラルフードは「安全で健康な食べ物」!?

ハラルの考えに有害なものや体に害を与えるもの摂取を禁止しています。つまり健康を考えた教えであると解釈できます。過度のアルコールは体に害を与えますし、依存症などの危険もあります。豚肉がなぜ禁止されているか明確な答えはないようですが一部では衛生面を指摘し禁止していると考えられています。他の食肉においても血を食すことが禁止されているため屠殺の際にも十分な血抜きをしなければいけません。これらは衛生面で非常に重要なことです。

「ハラル認証」がお店選びを左右する

イスラム教徒の数は増加傾向であり、イスラム教国のインドネシアやマレーシアは高いGDP経済率を維持し、訪日される方も増えています。このような状況のなかで訪日の際のホスピタリティーの必要性また飲食ビジネスのチャンスが生まれています。ハラル食品を提供するすなわち『ハラル認証』がイスラム教徒のお店選びを左右します。ハラル認証は安心を確保でき、イスラム教徒には非常に意味があります。しかし実際にまだハラル認証されている飲食店数は少なく、そのほとんどは東京と大阪に限られておおり、来日したイスラム教徒から不満の声が上がっています。

ハラル認証とは?

ハラル認証とはイスラム教徒の食の安心を担保する目的で1970年頃にマレーシアで初まったとされます。ハラルは生産、流通、調理過程に関わりますので、それぞれの過程で適切に管理されることで認証されます。イスラム教の宗派や国の違いによりハラルの解釈が異なるところがあるため統一した制度は現在のところ存在しておりませんがハラルの認証機関は全世界で200以上あると言われております。日本にも15以上の機関が存在するようです。

ハラル認証を取得するには?

それではハラル認証のとり方ですが、日本のハラル認証機関に申請を行うためには、まずは数ある認証機関を選ばなければいけません。機関設立の基準がないためより多くの認証を行っている信頼できる機関を選びましょう。認証にあたって、機関によりますが面談や書類の作成、監査などがあります。またHACCPなどの衛生基準を求めることもあります。

まとめ

イスラム教徒数の増加やイスラム教国家のGDPの成長もあり世界的にもイスラム教徒への理解がますます重要になってきています。イスラム教徒との友好関係の構築やビジネスチャンスを逃さないためにもハラルについて常識として知っておきたいところです。われわれもそうですが、食への安心は生活の基本になるところです。多くの日本人は、食のタブーを持っていないためなかなか理解するのが難しいところもありますが、ハラルについて正しい知識を持ちイスラム教徒の方の考えを理解し互いに尊重できる関係を築きましょう。

プロフィール

松田 千波(Chinami Matsuda)管理栄養士ブロガー兼ライター
管理栄養士として委託会社での病院勤務、障がい者施設経験を持つ。心理学、がんの栄養学、栄養士の働き方についてSNSとブログで発信中。

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