ブルーベリーアレルギーの症状は?花粉症との関係も徹底解説!

食物によるアレルギー反応は大きく2種類

食べ物によるアレルギーが近年、増加傾向になっています。現在では国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれています。
アレルギーを引き起こすことがよく知られている卵や牛乳、小麦粉などの特定原材料7品目を含む加工食品や添加物は表示の義務があります。さらにアレルギーの報告がある20品目は表示することが推奨されています。しかし、それ以外の食べ物においてもアレルギー症状を引き起こすことがあります。症状が軽い場合ではアレルギーを持っているのに気がつかないこともあります。食物アレルギーの症状として即時型アレルギーと口腔アレルギーの2つがあることが知られています。

即時型アレルギー

アレルギーとなる食べ物を食べた直後から数時間以内に現れる症状ですので即時型アレルギーと呼ばれています。一般的にアレルギーと言われる症状です。症状として顔や全身にじんましんができたり、皮膚が赤くなりかゆみがでます。またむくみや咳、下痢などの症状が出ることもあります。重症になると血圧が下がり意識がもうろうとすることがあります。このような症状はアナフィラキシーと呼びすぐに適切な治療が必要になります。なぜこのような反応が起こるかというと病原体を排除するため働く免疫が食べ物の主にタンパク質を病原体と勘違いして反応して攻撃してしまうことによって起こります。このようなタンパク質などをアレルゲンと言います。病原菌に対してのこのような免疫反応自体は病原体と戦うための正常な体のシステムです。

口腔アレルギー

口腔アレルギーは主に果物や生野菜を食べることによって起こります。症状として口の中や舌、唇のかゆみやしびれ、むくみ、イガイガ感また耳の奥のムズムズ感などが食事の15分以内に起こります。多くの場合はこのような軽度な症状だけで自然に良くなります。なぜなら口腔アレルギーを起こすアレルゲンとなるタンパク質は口の中の粘膜で反応を起こしますが、小腸で吸収される前に胃酸などで分解されてしまうからです。つまり原因となる生野菜や果物も火を通して調理したりジャムにしたりしてアレルゲンとなるタンパク質を分解することで症状を抑えることもできます。しかしバナナや桃のアレルゲンは熱に強いので注意が必要です。

ブルーベリーアレルギーなんてあるの?

そもそもブルーベリーにもアレルギーはあるのでしょうか。上記にあるようにブルーベリーはアレルゲンとして表示対象の27種には含まれません。しかし、アレルギーを起こす食べ物は無数に報告されています。実際にブルーベリーに対してアレルギー症状を起こす人もいますが、そのような人はまれです。ほとんどの人は、他に花粉症などのアレルギーを持っていることでブルーベリーにアレルギー反応がでることがあります。そのメカニズムをおって説明いたします。

ブルーベリーアレルギーの症状

ブルーベリーによるアレルギー症状として、紹介したようにかゆみや発赤が生じる即時型のアレルギーや口の中のかゆみやしびれを伴う口腔アレルギーが起こります。ブルーベリーなどの果物を食べることにより起こる果物アレルギーの症状は主に口腔アレルギーといわれています。1粒食べるだけでも症状がでることがあるので注意が必要です。特に即時型のアレルギーでは重篤な症状がでることがあるので疑いがある場合は避けるようにしましょう。

ブルーベリーそのものには基本アレルゲンはない!

ブルーベリーに対してアレルギーを持つ人はまれです。すなわちブルーベリー自体には強いアレルゲンになるものは含まれておりません。しかし、ブルーベリーに含まれる物質と似ているアレルゲンに対してアレルギーを持っているとアレルギー症状がでることがあります。

果物アレルギーとは?

ブルーベリーだけでなく様々な果物でアレルギーが報告されています。しかし報告の多い果物の種類は限られています。果物による口腔アレルギーでは、他にアレルギーを持っていることで起こりやすくなります。なぜなら他にアレルギーをもっていると似ているアレルゲンにも体が反応してしまうからです。スギ花粉アレルギーを持っている人がヒノキにもアレルギーがあることが多いことと同じです。これを交差反応といいます。

果物アレルギーは花粉症のせい!?

このような交差反応は同じ属の植物同士や似たようなタンパク質を持っていると反応しやすくなります。その例を紹介します。果物アレルギーといいますが野菜でも同様のメカニズムで症状が出ることがあります。ハンノキの花粉症を持っているとリンゴ、モモ、ナシ、ビワ、サクランボ、イチゴ、メロン、スイカ、キュウリ、ダイズなどに反応しやすくなます。同様にシラカバ花粉アレルギーではリンゴ、モモ、ナシ、洋ナシ、スモモ、アンズ、サクランボ、イチゴなど、スギやヒノキ花粉アレルギーではトマト。イネ科のオオアワガエリやカモガヤ花粉アレルギーではメロン、スイカ、トマト、ジャガイモ、タマネギ。ブタクサ花粉アレルギーではスイカ、メロン、ズッキーニ、キュウリ、バナナなど。ヨモギ花粉アレルギーではニンジン、セロリ、レタス、ピーナッツ、クリ、ピスタチオなどが知られています。花粉症があると必ず果物アレルギーになる訳ではありません。あくまでその可能性が高くなることが知られています。

近年では口腔アレルギーが増えている

症状がそれほど重くなく気がつかなかったり相談しないこともある口腔アレルギーですが、近年の花粉症の人の増加にともなって増えてきています。少しでも疑いがあるような症状があれば病院で検査してみましょう。今では1回の検査で何十種類のアレルギー検査ができるようになっています。また、どの食品に対してどれだけ反応しやすいかもわかります。アレルギー症状の正体が分かれば食品の場合でしたら対応が比較的簡単にできますのでおすすめです。

ブルーベリーアレルギーの検査

まさかブルーベリーでアレルギーはおきないだろうと思っていても人も多いかと思います。ブルーベリーを食べて口腔アレルギーの症状があれば是非、病院で検査してみましょう。アレルギー科などのアレルギーの専門医がいる医療機関でしたら、より詳しい話や対処方法を教えてもらえると思いますので相談してみましょう。

まとめ

今では花粉症の症状を感じている人は日本では2人に1人いるといわれているくらい増加しておりまさに国民病です。しかし花粉症の広がりによって口腔アレルギーも増えていることはまだあまり知られていません。食事中に感じる症状は辛いものがありますよね。もし思い当たる症状があれば病院で検査してみましょう。症状の原因がはっきりすればその食べ物を避けたりまた加熱することでも症状を抑えることができるかもしれません。

プロフィール

松田 千波(Chinami Matsuda)管理栄養士ブロガー兼ライター
管理栄養士として委託会社での病院勤務、障がい者施設経験を持つ。心理学、がんの栄養学、栄養士の働き方についてSNSとブログで発信中。

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