グルテンフリーとは?グルテンの特徴とメリットを解説!

グルテンフリーとは?

最近グルテンフリーという言葉をよく聞く方も多いと思います。ではそもそもグルテンフリーとは何なのでしょうか。文字通りグルテンフリーとはグルテンがふくまれていないという意味です。もともとは小麦アレルギーの方や、セリアック病の患者さんが用いていた治療法だったのですが、そこから何故か小麦は体に悪いという考えが生まれグルテンフリーという言葉は世界的に広まってしまいました。

そもそもグルテンってなに?

では一体グルテンとは何でしょうか。グルテンは小麦粉に含まれるグリアジンとグルテニンが水を吸収することで繋がったものです。美味しいパン、パスタ、お菓子作りなどには欠かせません。しかしグルテンは悪い面もあります。一つは腸内環境の悪化です。分解酵素がある方は問題ないのですがない方の場合、消化不良や便秘、下痢を引き起こすリスクがあります。世の中にはグルテンを摂ると本当に体調を崩されるかたもいらっしゃるので、一概に否定はできません。しかしグルテミン=体に悪いというのはちょっと短絡的なのではないでしょうか。

健康やダイエット目的で断つ人が続出

グルテンフリーダイエットは海外で生まれました。ダイエットとは、日本で一般的に使われる意味として「痩せるための食事制限」や「健康維持のための食事の調整」などがあります。グルテンフリーはもともと、グルテンを避ける食事法のことでした。しかし、日本では「ダイエット=痩せるために行うこと」という考えが広まっているので日本にグルテンフリーという言葉がが輸入されると単なる痩せるためのダイエット法として認知されてしまいました。その結果痩せることが目的のでグルテンフリーダイエットをする方が増えたのです。実際に、グルテンフリーダイエットが減量に効果があるという科学的根拠はありません。健康法として実践されている方も多いですが、体質的にグルテンによる影響のない方には、効果は期待できません。

グルテンフリーがもたらす4つのデメリット

さて、もちろんグルテンフリーダイエットも万能ではなくデメリットもあります。今から紹介するデメリットとメリットを比較して冷静に判断をしてください。自分がグルテンに合う体質か合わない体質かは一度グルテン抜きの食事を実践すればすぐにわかります。当然ですが、グルテンを抜いて調子が悪いと感じたらすぐにやめる必要があります。

①栄養が偏ってしまうかも…

必要のない方がグルテンフリーダイエットを始めると栄養が偏るというリスクがあります。穀類を完全に排除するためまず食物繊維が足りなくなる可能性が高いです。イギリスの医学誌BMJによればグルテンフリーダイエットを導入したほとんどの人が食物繊維の不足に陥り、心臓と血管の病気になるリスクが増えたということです。ハーバード大学医学部准教授、アンドリュー・チャンさんによれば、食事でグルテンを摂る量が最も少ないグループは心臓の病気になるリスクが15%高くなったということです。現代人は食物繊維のほとんどを穀類から摂取しているのでグルテンフリーダイエットをする際は別の方法で食物繊維を摂取する必要があります。例えば食物繊維を含んだ野菜と果物をしっかりと摂取するなどの対策が効果的です。

②心臓や血管の病気になるリスクが増えるかも…

先ほども申しあげたようにグルテンフリーダイエットををすると食物繊維が不足して心臓や血管の病気になるリスクが増えます。ですがだからといってすぐに辞める必要はありません。要するに穀類以外から食物繊維を補給すればいいのです。専門家の勧めではオーツ麦や玄米、キヌア、ヌビアなどのグルテンフリーの穀類から食物繊維を摂ることです。また、アボカドやエンドウ豆、ヒラマメ、ラズベリー、洋ナシ、ブロッコリー、アーティチョーク、芽キャベツなどは食物繊維が豊富です。これらの野菜や果物をたっぷりと使った料理なら食物繊維の一日の必要量25グラムもクリアできるでしょう。ただグルテン過敏症やセリアック病でないのならそれほどグルテンフリーにこだわる必要はないと思われます。

③余計にお金がかかってしまう…

グルテンフリーにはお金がかかるという意見があります。確かに食品を全てグルテンフリーに切り替えればお金はかかりますが、パンをコメに変えたり、ラーメンをそばに変えたりするくらいでは大した変化はありません。パン、パスタ、うどん、ラーメン、しょうゆ、シリアル、カレーやシチュールウこれらは全てグルテンフリーの製品が作られているので主食のラーメンをグルテンフリーのラーメンに変えればお金はかかります。ですが、先ほども述べたようにそばに変える分には大した出費の変化はありません。つまりグルテンフリー版の代わりの商品を探すのではなく、最初からグルテンが含まれていない製品に変えればいいのです。出費がかさんでも大丈夫であれば、グルテンフリーの製品に変えても良いかもしれません。

④精神的に負担がかかるかも…

グルテンにはカフェインやニコチンと同様依存性があります。つまり煙草をやめるのが精神的にきついのと同様にグルテン依存になっている人がグルテンフリーに挑むのは精神的にかなりきついです。だからといってニコチンを取り続ければ害が増えるのと同様に、依存症になるほどグルテンを摂取している人は体内にかなりのダメージが蓄積されている可能性があります。試しに1週間グルテンを抜いてみましょう。それで肌や体の調子が良くなればあなたはグルテンにダメージを受けていることになります。もちろんそれからグルテンフリーにするのか、そのままグルテンを含む食事を続けるかは個人の自由です。また、若いころはグルテンのダメージはあまり襲ってきませんが、つけは40代以降に現れてくることが多いです。

セリアック病やグルテン過敏症の人には効果的

セリアック病という病気を知っているでしょうか。セリアック病患者がグルテンを摂取すると自己免疫系が異常反応を示し小腸を攻撃します。すると小腸は炎症を起こしてしまい、腹痛や下痢、倦怠感などの症状が現れます。グルテンフリーはもともとこのセリアック病患者の治療法として開発された食事法です。ダイエットに効果があるという科学的根拠はまだ見つかっていません。ただセリアック病患者やグルテン依存の人等がグルテンを抜けば体調が良くなり、その結果、体重が減ることはあります。しかしもともとダイエットのための食事法ではないことは知っておくべきです。グルテンにアレルギーも依存も持ってない人がグルテンフリーの生活を始めたら栄養不足で体調が悪くなるだけということも考えられます。健康な人が安易に手を付けていいダイエット法ではありません。

グルテンフリーは賛否両論

グルテンフリーは他の健康法と同様、これだけをやってたらすべてOKという絶対的な健康法ではありません。グルテンは毒ではないですし摂取しても問題が起きない方もいますし、体調を崩される方もいます。評価としては賛否両論あります。つまり、大切なのはどの健康法が効くのかではなく、自分がどのような食品を摂ると調子が良くて、どういった食事をすると体調を崩すのかを知ることです。そしてマイナスの反応がある食事は控える、代替品を探すなどをしましょう。世の中にはいろいろな人がいますが自分の体調を知っているのは自分だけです。周囲の意見に流されずに自分と精一杯向き合って自分なりの健康法を見つけることがベターだと思われます。

体調が悪くなったら無理はしない!

自分がグルテンに強いのか弱いのか知るのにはグルテンを抜く食事を一度試してみることです。おすすめは2,3種間程度です。数日で変化に気づかされる方もいますし、変わりがないと思ってグルテンありの生活に戻ったら体調を崩してその時に効いていたことを実感する人もいます。もちろんグルテンを抜いて体調が悪くなったらすぐに中止してください。どのような些細な変化も見逃さないでください。いつもの自分とちょっとでも違うと感じたらプラスであれマイナスであれグルテンフリーが影響していると考えていいでしょう。またグルテンフリーを長期間行うのはリスクが高いので必ず専門医の指示を仰いでください。先にも書いたようにグルテンフリーにすると食物繊維やビタミンB6が不足するリスクがあります。実態を知らずに安易に長期間のグルテンフリーを行うのは危険な行為ですのでやめてください。

まとめ

以上をまとめると大切なポイントはグルテンフリーは本来治療法であり減量法ではないので、ダイエットに効くという科学的根拠はないということ、安易にグルテンフリーを長期続けると食物繊維やビタミンB6の不足が生じて健康リスクが高まるということ、グルテンを抜くことで体調が良くなる方もいるということ、それを判断できるのは自分しかいないので、周囲の意見に左右されずに自分にしっかりと向き合って答えを出すということです。世の中には様々な健康であふれていますが、自分に合う健康法を見つけられるのも自分しかいないのです。

プロフィール

松田 千波(Chinami Matsuda)管理栄養士ブロガー兼ライター
管理栄養士として委託会社での病院勤務、障がい者施設経験を持つ。心理学、がんの栄養学、栄養士の働き方についてSNSとブログで発信中。

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