スーパーフードとは?食材の種類や食べ方を解説!

スーパーフードとは?

スーパーフードにははっきりとした定義はなく、一般の商品と比較するとビタミンやアミノ酸、ミネラルなどの必須栄養素を多く含む主に植物由来の商品という前提条件のもとで、様々な定義が存在しています。何か特別な食品を思い浮かべるかもしれませんが、ある定義によればリンゴの皮やニンジンの葉、カカオやココナッツもスーパーフードになるようです。サプリメントのような効果がある一般食品と言えばわかりやすいでしょうか?そういった観点からみれば中国の漢方のようなものなのかもしれません。ただスーパーフードはそのままでもおいしく頂ける食物という意味では厳密には漢方とは異なります。

スーパーフードはアメリカ生まれ

スーパーフードは1980年代のアメリカで食事療法を研究する医者の間で有効成分を多く食物をスーパーフードと呼び始めたことから始まります。アメリカでは2000年代に低温調理法がはやるのですが、この調理法はスーパーフードの含有成分を生かすのに最適な調理法だったため、低温調理法実践者の間でスーパーフードがブームになるのです。一般に広まったのは2004年に出版された、スーパーフード処方箋という本の影響が大きいでしょう。この本ではスーパーフードを健康によい栄養分を豊富に含みながら、多くは低カロリーである食品と定義しています。

スーパーフードの定義と基準

スーパーフードの定義ですが、日本スーパーフード協会によれば、栄養バランスに優れていて、一般の商品より栄養価が高く、一般的な商品とサプリメントの間に来るようなそんざいで、食物と健康食品の二つの面を持つとしています。ただ上記に当てはまればすべてスーパーフードというわけではなく、アメリカですでにスーパーフードとして認知されていること、歴史が長く、長期にわたって、人々の健康に寄与してきたこと、あらゆる問題が解明されており、健康的リスクの心配なく食することができるという基準をクリアできないとスーパーフードとしては認められません。

スーパーフードを一挙大公開

スーパーフードにはアサイーやカカオなどの有名なものから、チアシードやキアヌなどあまり浸透していないものまで数広く存在しています。また納豆や、緑茶、甘酒など日本独自のスーパーフードも存在しています。この文ではそれらのスーパーフードを全て紹介していこうと思います。興味がある食材があれば一度食べてみてはいかがでしょうか。

プライマリースーパーフード10とは?

皆さんはプライマリースーパーフード10という言葉を聞いたことはあるでしょうか?プライマリースーパーフード10とは発祥地として有名なアメリカやカナダでスパーフードを代表する食品として特に認知されていて、日本スーパーフード協会がそのなかで特に重要と考えて国内で優先的に推奨している10個のスーパーフードのことです。詳しくは後述しますが、名前だけを挙げると、スピルリナ、マカ、カカオ、アサイー、カムカムなどがあります。

プライマリースーパーフード10

それでは一つ一つ紹介していきましょう。今回はプライマリースーパーフード10のほかにも主要なスーパーフードを紹介していきます。

まずはスピルリナです。地球最古の植物として有名で、水中で育つ藻の一種です。植物性ですがたんぱく質が豊富です。アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維、不飽和脂肪酸など50種類の栄養が含まれています。少量を飲み物やデザート、料理などに混ぜて召し上がってください。
アサイーは健康食品として日本でも有名ですね。ブラジル産のヤシ科の植物でアントシアニンが豊富に含まれています。鉄分、食物繊維、ビタミンE、カルシウムなども含まれていてスムージーに最適です。
カムカムは、ビタミンCの含有量が世界トップの果実です。ドリンクやヨーグルトに混ぜてお召し上がりください。マカは、鉄分、カルシムなどのミネラルを含有、ホルモンバランスを整えるため、冷え性などに効果的です。

続いてはウコン、こちらも既に日本で有名ですね。肝臓の働きを良くし、抗うつ作用もあるとされています。
カカオは、中南米原産のアオイ科の常緑樹です。テオブロミンを含有、集中力を高めたり、リラックス効果もあります。また、高揚感をもたらす作用もあります。
ピーポーレンは、鉢が集めた花の蜜と花粉を酵素で丸めたもので、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが豊富です。ヨーグルトやシリアルのトッピングに合います。
キアヌは、インカ文明を支えた穀物でたんぱく質と鉄分は玄米の2倍、カルシウムは5倍です。
チアシードは、メキシコ産の一年草で水につけると10倍に膨らんでジェル状になります。このジェルはグルコマンナンという食物繊維です。たんぱく質も豊富です。
麻の実は、中央アジア原産の一年草でαリノレン酸を多く含みます。ふりかけのようにご飯にかけて食べることができます。

以上がプライマリースーパーフード10に指定されているスーパーフードです。

以下、その他の重要なスーパーフードを紹介していきたいと思います。

アマ二はオメガ脂肪酸、食物繊維、たんぱく質が豊富です。生のままでは日本に輸入できないため、ローストしたものしか入手できません。
ココナッツは、熱帯地方に生息するヤシ科の植物です。カリウムを多く含むのが特徴です。
シーク二ンは、徳之島に生息する野生のミカンです。抗酸化作用があるのでしみやニキビに効果的です。
生はちみつは、ビタミン、ミネラルのほか、グルコン酸が豊富です。殺菌作用があるので外用としても使用可能です。
サチャインチ油は、オメガ3系の必須脂肪酸、αリノレン酸を含みます。アマ二もαリノレン酸を含みます。パスタにかけるとおいしいですよ。肌荒れに効くとされています。
ヘンプ油は、αリノレン酸を含みます。アレルギー対策に役立ちます。
ココナッツ油は、体内の脂肪がつきにくく、代謝の時間が早い中鎖脂肪酸を多く含みます。
アーモンドにはビタミンEが豊富に含まれ、アンチエイジングの効果があります。アメリカでは肥満の患者にアーモンドを投与し続けると減量に成功したという研究があります。
ゴジベリーは、ビタミン、ミネラル、たんぱく質、βリノレン酸を豊富に含んでいます。スナックとしてそのまま食べたり、スムージーに入れてもおいしいです。薬膳として使用され、体と心を癒し、エイジング効果も期待できます。
ゴールデンベリーには、フロボノイドやβカロテンが多く含まれます。粘膜を強化して外敵から体を守ります。甘酸っぱいのでそのまま食べれますが、焼き菓子に入れてもおいしいですよ。
アセロラはカリブ海諸島原産、ビタミンCはレモンの34倍です。ポリフェノールも含まれるため、抗酸化も期待できます。沖縄での貴重な国産アセロラがあり、沖縄本部町はスーパーフードタウン第一号に認定されました。
ブロッコリースーパーストライトは、ブロッコリーの新芽です。デトックスの王様スルフォラファンを多く含みます。カットする必要がなく様々な料理に使用することができます。
アロエベラは、ねばねば成分のムコ多糖類に免疫機能アップや抗炎症作用があります。関節、軟骨を形成する成分と同じ成分を持つので、細胞間の潤いを保つ効果があります。淡白な味で食べやすいですが、キダチアロエは苦みがあるので、スムージーなどに入れt召し上がってください。
ザクロは、エストロンがエストロゲンと同じ作用を持つため更年期障害や生理不順、肌トラブルに効果的です。

実はすごい!日本ならではのスーパーフード

今回は日本スーパーフード協会が世界へ向けて推奨するジャパニーズスーパーフーズを紹介します。
ジャパニーズスーパーフードとは日本の食文化において日本人の健康と幸福に寄与してきたと評価される伝統的自然食品や伝統的製造法を有する国産品のことです。また、日本の伝統を再構築し、新しい形、新しい食し方で国内外に活動していくことを目標にした日本発、日本独自のスーパーフードのことです。

まずは納豆です。善玉菌のプロバイオティクスがお腹の中からキレイにしてくれます。ビタミンB2が大豆の4倍ほど含まれているため、疲労回復に効きます。納豆キナーゼは血液をサラサラにする働きがあります。
続いては味噌、大豆を発酵させているのでたんぱく質が吸収しやすくなります。世界で長寿の食べ物として注目が集まっています。大豆を発酵させることでアミノ酸、ビタミンを大量に生成します。ミネラル、食物繊維、炭水化物も豊富です。そして甘酒、米を発酵させているので糖質を吸収しやすいです。砂糖の代用品として甘味料に使用できます。江戸時代のエネルギー飲料ですね。
緑茶、ポリフェノールの一種のカテキンは老化防止や血圧、血糖値の上昇を抑えます。殺菌作用で口臭、虫歯を防ぎます。コーヒーの代用品として緑茶を飲む人も増えてきているそうです。
聞きなれないかもしれませんが、ITはなびらたけ。エストロゲン、βカロテンなど優れた効能を持ちます。ジャパニーズスーパーフード第一号に認定されています。
そばもスーパーフードといえます。ポリフェノールの一種であるルチンが血管を丈夫にし、活性酸素を除去します。ルチンは脳の記憶細胞が死滅するのを防ぎ、ボケ防止になります。ゆでると流れ出てしまうので蕎麦湯は必ず飲みましょう。

このように見てくると、日本の発酵食品は世界でも注目されているのがわかります。発酵とは菌が分解され新しい成分へ変化することであって、新しい味に生まれ変わることです。うまみが増して、栄養価も高ります。食品を腐らせる菌が増えないため保存がききます。腸内環境を整え、便秘を解消してくれます。免疫力を高める効果もあります。そして梅干し、カルシウム、鉄など豊富なミネラルを含みます。クエン酸は食欲を増進し、糖質の代謝を助けるので疲労回復に効きます。毎日何気なく使用している醤油、アミノ酸が豊富です。やはり発酵が日本のスーパーフードのポイントだとわかります。そして周りにある調味料が実は栄養が豊富なスーパーフードであったことに驚かされます。発酵は日本が世界に誇れる技術なのかもしれません。みなさんも意識して発酵食品を食べてみませんか。きっと美しく健康な日々が待っていますよ。

加速するスーパーフードブーム

日本でスーパーフードブームに火が付いたのは5年くらい前からで割と最近になってからです。ココナッツオイルやチアシードなどが有名ですね。それからは毎年のように新しいスーパーフードが紹介され、近年の健康ブームに乗ってどの商品も爆発的な売り上げを見せています。また、日本では当たり前に食べている日本食も海外ではスーパーフードとして人気が出ているのです。つまりスーパーフードは日本だけではなく、世界的なブームになっているといえるでしょう。ここでは今後流行るであろうスーパーフードをいち早く皆さんにお伝えしたいと思います。

【今後来る!?】2019年にも注目されたスーパーフード

ピタヤ(ドラゴンフルーツ)

皆さんはピタヤをご存じでしょうか。ピタヤは別名ドラゴンフルーツといって、表面がドラゴンの鱗に似ているのでこの名前がついたそうです。ピタヤには豊富な水分に加え、食物繊維、葉酸なども含まれています。カリウムやマグネシウムも含まれています。日本では沖縄で栽培され7月から11月までが出荷時期です。大きさは10センチほどで種がゴマのように散らばっていて、キウイフルーツのような見た目ですが、果肉は柔らかくてサクサクとしています。さっぱりとした甘さで酸っぱさはほとんどありません。栽培するときに農薬をほとんど使用しないので健康志向の強い人から注目を集めています。

マキベリー

マキベリーは直径6ミリくらいの球形で黒色をしています。人工的な栽培がされていないので、全てが天然です。先住民のマプチェ族は下痢止めとして使用していました。現在でもジュースとして飲んでいるようです。ポリフェノールが豊富で赤ワインの12.4倍です。アントシアンも豊富で抗酸化成分も高めです。科学者も注目していてエイジングケア、抗肥満、抗炎症、抗ウィルスに効果があるとされています。味は甘めです。地元ではジュースやワインにして飲んでいるようです。ジャムにして食べることもできます。収穫期は短く、1月から3月の間が完熟期です。

タマリンド

タマリンドは甘酸っぱく干し柿のような味です。もちろんそのままでも食べれますがジャムや飲み物などに加工して食べることが多いようです。酵素が沢山含まれているので消化機能の改善が期待できます。カリウムや鉄も豊富なため、貧血予防になります。さらに食物繊維、クエン酸、アルファヒドロキシ酸が含まれているので腸内環境を整えてくれます。また葉はシップ代わりになり、腫れた場所に貼ると治りが早くなります。種はドライアイ予防として目薬に配合されたりしているようです。熟した果実はアクセントとしてカレーなどに入れるとおいしいですよ。

生はちみつ

はちみつは本来は栄養豊富なのですが、加熱処理をすると沢山の栄養が失われてしまいます。生はちみつとは加熱処理をしていない、自然そのままのはちみつのことです。生はちみつには乳酸菌が多く含まれているので、整腸作用が期待できます。グルコン酸、オリゴ糖も含まれているので乳酸菌がしっかりと働ける環境が整っています。生はちみつには保湿効果もあります。紀元前の世界では化粧品として使用されていたほどです。ブドウ糖、果糖も豊富なのでビタミンB1との相乗効果で疲労回復が期待できます。酵素も多いので免疫力も強化されます。さらに脳の活性化や貧血予防の効果もあります。

フォニオ

フォニオはアフリカでもっとも古い穀物です。グルテンフリーであり、繊維質、鉄分、タンパク質を豊富に含んでいます。フォニオ自体はアワよりも小粒で、そのままでは食せません。30分蒸すそうですが、レンジを使用すればすぐにできます。現地ではスープに加えたり、ソースにして野菜や肉と一緒に食べるとそうです。セネガルでは消化器系や泌尿器系の治療薬として使用され、妊婦さんや子供が食す栄養補助剤としても人気だそう。また、糖尿病患者や、肥満の人にとっての低脂肪食としてアフリカではすでに定着しています。そしてフォニオは健康食として、今世界中で需要が高まっているそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?スーパーフードと聞くと、何か特別な食品かと思ってしまいますが、納豆や味噌が海外ではスーパーフードとと呼ばれていることからわかるように世界の健康食品のことだと考えていただければよいと思います。記事の中で気になる食品があれば、気軽に試してみてはいかがでしょうか?薬ではないので健康に害があるということはありませんから、自分に合わないと感じたらすぐに辞めればいいのです。スーパーフードを食生活に取り入れて素敵な健康ライフを楽しんでください。

プロフィール

松田 千波(Chinami Matsuda)管理栄養士ブロガー兼ライター
管理栄養士として委託会社での病院勤務、障がい者施設経験を持つ。心理学、がんの栄養学、栄養士の働き方についてSNSとブログで発信中。

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