五大栄養素

五大栄養素とは?

人間の体は筋肉や骨、脂肪などで構成されています。そしてこれらの構成要素は様々な栄養によって構成されています。つまり、人間は常に栄養を外部から摂取していないと、筋肉や脂肪などを維持することができなくなってしまうのです。そしてこれらの構成要素となる栄養が糖質、脂質、タンパク質であり、総称して3台栄養素といいます。そして維持された体の調子を整える栄養素がビタミン、ミネラルであり、合わせて5大栄養素といいます。そして最近体内で重要な役割をしていることがわかったファイトニュートリエント(フィトケミカル)を7大栄養素といいます。

五大栄養素の働き

食物の中に含まれた栄養素は体に吸収されると様々な役割をします。私たちが活動するためのエネルギー源となる栄養素が糖質、脂質、タンパク質です。これらを総称して3大栄養素といいます。3大栄養素は体を構成したり、体の傷を治して、再生させる役割を持ちます。そして、体が常に健康でいられるように調子を整える役割をしているのがビタミン、ミネラルであり、総称して5大栄養素といいます。ビタミン、ミネラルは体で合成できないので必ず外部から摂取する必要があります。

炭水化物

炭水化物は最もエネルギーとして使われやすく、即効性のあるエネルギー源です。炭水化物は脳や神経系、赤血球、筋肉を働かすために必要です。不足すると疲労感や集中力の低下などが見られます。脳で供給不足が起きると意識障害に陥ります。過剰な場合は余った分が脂肪として蓄積されます。それが肥満や生活習慣病の原因になるので注意が必要です。炭水化物がエネルギーに変わるにはビタミンB1が必要ですので、一緒に摂取すると代謝が高まります。

炭水化物を多く含む食材

白米、玄米、じゃがいも、大根、ケーキ、ゼリー、砂糖、ヨーグルト。炭水化物は摂取すると糖に分解され、血液中に取り込まれるため、血糖値が上昇します。ただ、1時間後に血液中に入り込む糖の量が多い食品と少なめの食品があります。量が多い食品を摂りすぎると糖尿病や心筋梗塞のリスクを増大させます。例えば、白米よりは玄米が少なめ、じゃがいもよりは大根のほうが少なめといったように、順番に並べて書きました。ケーキよりはゼリー、砂糖よりはヨーグルトといった具合です。他に量が多い食品として食パン、どら焼き、うどん、餅、とうもろこしなど。少なめの食品として春雨、大豆、プリン、チーズ、バナナなどがあります。どうしても炭水化物の量を抑えたい方は少なめの食品をお勧めします。(全体の炭水化物の量は変わりません、血液に入り込むスピードが速いか緩やかかの違いで、後者の方が太りにくいという意味です。)

タンパク質

たんぱく質は、筋肉や内臓、酵素や細胞を作っている栄養素です。タンパク質は体内でアミノ酸に変化します。DNAはアミノ酸から作られます。アミノ酸には体内で合成できるアミノ酸とできないアミノ酸があり、後者を必須アミノ酸といいます。食品中の必須アミノ酸の量をもとに作られた指標にアミノ酸スコアがあります。必須アミノ酸が一つでも含まれていないとスコアは下がります。タンパク質を摂るときはアミノ酸スコアが高い製品をお勧めします。詳しくは下に書いてあります。

タンパク質を多く含む食材

卵、鶏肉、鮭、牛乳 これらのアミノ酸スコアは100でタンパク質の摂取という観点から見たら完璧に近い食品といえます。他には大豆は86点、白米は65点、小麦は37点となっています。小麦は必須アミノ酸のリジンが不足していますが、リジンが豊富な鶏肉と一緒に食べればバランスは良くなります。アミノ酸スコアが高い食品は他にもチーズ91点、サトイモ84点、ジャガイモ68点となっています。トマトは48点ミカンは50点です。ちなみに必須アミノ酸はバリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンの9つです。

脂質

脂質はエネルギーになったり、臓器や神経の構成成分になったり、ビタミンを運搬する役割があります。また、体温を保ったり、肌に潤いを与えたり、ホルモンの正常な働きを助けたりします。摂りすぎると肥満になるので注意が必要ですが、減らしすぎても特に女性は美容や健康を損ねる結果になるので注意しましょう。ある程度の脂質は必要なのです。高齢者の場合不足すると抵抗力が無くなったり、疲労が出やすくなるので、食事には気をつけてください。

無機質(ミネラル)を多く含む食材

納豆、木綿豆腐、豚レバー、牡蠣、ココア、チーズ、わかめ。木綿豆腐にはカルシウムやモリデブンが多く含まれています。牛乳が苦手な人は豆腐から摂取しましょう。豚レバーは鉄分とモリデブンが確保できます。牡蠣は亜鉛が豊富です。亜鉛は他には牛肩肉に多く含まれています。ココアには、銅が含まれています。銅は他ですとくるみに含まれています。わかめはマグネシウムが豊富です。ほかですとそばもマグネシウムが豊富です。カリウムはバナナ、マンガンは栗、ヨウ素は焼きのり、セレンはマグロ、クロムはジャガイモに豊富です。

ビタミン

ビタミンは体が正常に機能するために必要な要素で血管、骨、皮膚を健康に保ち、新陳代謝を促します。体内ではほとんど合成されないので食事で摂る必要があります。ビタミンは水に溶ける水溶性ビタミンと油に溶ける脂溶性ビタミンに分かれます。水溶性ビタミンは尿とともに排出されてしまうので毎日きちんと補う必要があります。過剰に摂っても不必要な分は流れ出てしまうので過剰摂取の心配はありません。脂溶性ビタミンは油と一緒に摂ると吸収率が良くなります。肝臓に蓄積されるので過剰摂取には注意が必要です。

ビタミンを多く含む食材

ニンジン、アーモンド、ちりめんじゃこ、納豆、豚肉、牛レバー、バナナ、豚レバー、レモン。ニンジンはビタミンAが豊富です。ビタミンAは脂溶性なので摂りすぎに注意が必要です。アーモンドはビタミンEが豊富です。ビタミンEも脂溶性です。ちりめんじゃこはビタミンDが豊富です。カルシウムの吸収を助ける働きがあります。納豆はパントテン酸とビタミンKが豊富です。豚肉はビタミンB群が豊富です。牛レバーはビタミンB2と葉酸が豊富です。豚レバーはビタミンB12が特に豊富です。バナナはビタミンB6が豊富です。レモンがビタミンCなのは有名ですね。ビタミンCはジャガイモにも豊富に含まれています。肉が苦手な方はビタミンBは納豆や卵、アサリなどで補給してください。

まとめ

バランスの採れた食事とはごはんや穀物を主食にして、肉、魚、大豆などをメインのおかずにして、野菜、キノコ、海藻などを副菜にします。それに汁物をプラスすればほぼ完璧です。今回説明した栄養素は相互作用しながら働いているので、どれか一つでも不足していたら調子を崩してしまいます。バランスの採れた食事が大切なのはこういった理由からです。サプリメントも良いですが過剰摂取にはご注意ください。日本人が不足しがちなのはミネラルなので魚や海藻を積極的に食べましょう。

プロフィール

山﨑 麻未(Asami Yamasaki)管理栄養士
病院管理栄養士を7年間経験後、妊娠を機に退職。現在はオンラインの特定保健指導やレシピ作成を中心に業務を行っている。子供ができてからは、食の安全性や機能性をより考えるようになり「1食1食丁寧に」を心がけている。

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