現役病院管理栄養士が、伝統的な食文化と、現代日本の塩分摂取量について考えてみた

みなさんは新巻鮭を食べたことがありますか?
筆者は先日職場の病院で、理事長先生が持ってきてくださった、頭までしっかり入った立派な新巻鮭を、職場のみんなで少しずつ切り分けて食べました。
美味しそうなオレンジ色の鮭の身を一口パクリ。
しょ!!しょっぱい!!!
ご飯が進みます。美味しいのですが、しょっぱい。
なるほど、国が行う、国民健康栄養調査の食塩摂取量の平均値が、年々下がっていくのも納得です。昔の人はこれを普通に食べてたんだから、そりゃ塩分摂取量が今より多いに決まってるよなぁと、しみじみ思うのでした。

現代において、新巻鮭とは

元々「あらまき」は、貯蔵・保存のために、塩漬けの魚を藁や竹の皮などで包んだものを指したものです。冷蔵設備が整った今、保存のための塩漬けは、逆に人体に対して毒となっています。その事実に基づき、国の政策や企業努力によって、人々の減塩志向は高まり、今や鮭の売上は冷凍の甘塩鮭より、生の切り身の鮭のほうが多くなっています。
それはそれで喜ばしいことなのですが、今回新巻鮭について調べていたら、新巻鮭という伝統的な食文化の奥深さとその歴史の長さに、一言で、みんなしょっぱすぎる塩蔵食品を食べることが少なくなって良かったねと言いづらくなってしまいました。
時代に合わないモノや価値観が、無くなっていくのはしょうがないことなのかもしれませんが、伝統や文化、そしてそれを作り続ける作り手さんは大切にしていきたいところです。
例えば、新巻鮭も、そのまま焼いて食べるのではなく、向かい塩をして塩抜きしたり、鍋にいれたり、野菜と一緒に蒸し焼きにして、調味料を調節したりすると良いでしょう。あるいは、それはそれとして美味しい食べ物として食べて、他の料理やその日の全体の塩分量を減らす努力をするのも良いですね。

それでもやっぱり減塩を考えるなら

減塩を成功させるために、やはり一番早いのは、自ら調理することだと思います。結局のところ生の切り身の魚や肉を買って、必要最低限の味付けしかしないということが、一番減塩を成功させるのではないでしょうか。また、自分で調味料を併せて調理するという工程の中で、どれくらい塩分や調味料を加えているのか、自分で加えているだけにわかりやすいと思います。
よく言われる減塩の工夫の中で、レモンなどの酸味やカレー粉などの香辛料、しそやねぎ、ハーブなどの香草類やごまなどを使い、風味で味をひきたてるというものがあります。また、鰹だしや昆布出汁など出汁をよくとるのも良いでしょう。
例えば、生の鮭の切り身や生の鶏肉にこういうのもはいかがでしょうか?

しまんとFuru furuドレッシング

フライパンにオリーブオイルを薄くひき、刻んだニンニクを香りが立つまで炒め、鮭の皮目をパリッと焼いたら、イタリアンのfurufuruドレッシングを軽くかけます。
中身は、鰹節と宗田鰹節の粉にバジル・パセリ・フライドオニオン・ローストガーリック・チリパウダー・ブラックペッパー。バジルやパセリの香草、チリパウダーやブラックペッパーなどの辛味が、減塩でもおいしく食べることができます。
また、梅しそフレーバーや青のりフレーバーも同様に、焼いた魚やお肉にかけて食べても良いでしょう。

こちらのしまんとFuru furuドレッシングを作っている、しまんと百笑かんぱに株式会社さんは、四万十の地域に昔から伝わる食文化や生活を、新しい価値観で創造し、四万十地域で、いなかフェアトレードを目指し、拘りのモノヅクリをして県内外、国内外に発信販売している会社です。食文化や生活を、今しっかり売れる商品としてアップグレードし、販売している、そういう会社もあるのだなぁと感じます。

伝統や文化、そしてそれを作り続ける作り手さんを大切にしながら、もちろん自分の健康も考えて生きていく。自分の食べるもの、買うものを、改めて考えてみても良いかもしれません。

プロフィール

小倉 静香(Shizuka Ogura)管理栄養士 ヘルスケア栄養ライター
現役病院管理栄養士。趣味は食べ歩きで、美味しい物のためならどこへでも。基本的なボディメイクは食事制限のみなので、外食以外の食事ではできるだけ質素な食事を心がけている。常日頃栄養学に接しているからか、食べるものに関しては少なからず拘りがある。一日に摂取できるエネルギーは決まっているので、余分なエネルギーはとらない、余計なものは口にしない。ワイン好きのフレンチ好き。それもあってか高タンパク低脂質、ビタミンミネラルも豊富なジビエ好き。多くの食材を少しずつ頂く。すべてはバランスが大切。

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