【あれ?アルコールアレルギーかも…】症状や原因・簡単診断も紹介!

アレルギー_蕁麻疹

「お酒を飲むと息苦しくなる」「蕁麻疹が出たり、痒くなる」「翌朝の下痢がひどい…」というあなた。
ひょっとしたらそれはアルコールアレルギーかもしれません。
この記事では、アルコールアレルギーについて症状や原因、家でも簡単にできる診断などを解説します。
この機会に、意外と身近に存在するアルコールアレルギーについて正しい知識を身につけましょう!

アルコールアレルギーとは?

アルコールアレルギーとは、酒類を飲むことでアレルギー症状が見られる状態のことをさします。
アルコールアレルギーの方は、具体的にアルコールを摂取すると体がかゆくなる、かぶれが見られる、下痢を起こすなどといった症状が現れ、ひどい方の中には、肌にアルコールが触れるだけでも反応する方もいらっしゃいます。
例えば、注射の際、「消毒液で赤くかぶれてしまったことはありませんか?」と確認されますよね。
これは、アルコールアレルギーの確認なのです。
正確には、食物アレルギーのような免疫反応によるものではありませんので「アルコール過敏症」という状態ですが、ここではアルコールアレルギーと呼ぶこととします。

アルコールアレルギーは食物アレルギーかも!?

お酒を飲んでアレルギー症状が見られるからと言って、必ずしもアルコールアレルギーというわけではありません。実は、そのアレルギー反応は“お酒の原料によるもの”かもしれないからです。
「お酒」といっても日本酒や焼酎、ビール、ワインなど種類は豊富で、その種類によって原料も様々。日本酒であれば「米」、ビールは「麦」、ワインであれば「ブドウ」など、アルコールに反応していると思っていても、実は原料である食物に対するアレルギーであることも考えられます。
食物アレルギーとは、食物中のたんぱく質を体が異物と捉え、免疫反応、つまり異物を排除しようと活動をすることにより、アレルギー症状を引き起こすことを言います。
この症状も、アルコールによるものと類似しており、蕁麻疹、吐き気、下痢、呼吸困難などといったものですので、一見アルコールアレルギーとの見分けはつきません。
小麦アレルギー

食物アレルギーは身近な存在

食物アレルギーは、症例数や重篤度を勘案して定められた「特定原材料(卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生)」という7品目が有名ですが、これらの食品にだけアレルギー症状が見られるわけではありません。
もし特定のアルコールに対して症状が見られるのであれば、食物アレルギーを疑う必要があります。
まずは病院で医師による診察を受け、食物アレルギーであればきちんと指導を受けて対処していくようにしましょう。

アルコールアレルギーと過敏症の症状

もう少し詳しくアルコールアレルギーの症状を見ていきましょう。
アルコールアレルギーの症状は冒頭でも触れましたが、時には重篤な症状を起こす、いわゆる過敏症の方もいます。
こういった方は、酒粕や麹で漬けてある漬物や、香りづけのため少しリキュールが使用されているチョコレートやケーキを食べても症状が見られるのです。
その症状とは、体にまだら模様の赤みが見られる、蕁麻疹が出る、頭痛がひどい、くしゃみや鼻水が止まらない、息苦しくなり呼吸困難に陥るなどといったものです。
日によって症状の程度に差がある方もいますが、時には救急車で緊急搬送されてしまうこともあります。

アルコールアレルギーの原因

では、そもそもなぜアルコールでアレルギー反応が出てしまうのでしょうか?
簡単にいうと「アルコール分解酵素がない」ということが原因です。
まずは、アルコールを体内で代謝するメカニズムをご説明しましょう。
お酒などを飲むと、アルコールは肝臓でアセトアルデヒドという有害物質に変化します。
これがさらに、「アルデヒド脱水素酵素(ALDH)」という酵素により分解され、最終的には水と二酸化炭素に代謝されます。
アルコールアレルギーの症状を示す方は、この代謝に必要な「アルデヒド脱水素酵素(ALDH)」がない、または少ないと考えられます。
これがアルコールアレルギーの原因です。

いきなりアルコールアレルギーになることも!?


日本人の半数程度が、もともとから「アルデヒド脱水素酵素(ALDH)」がない、または少ないと言われています。
先天的に少ない方もいれば、後天的に減っていく方もおり、今までは普通にお酒を飲んでも悪酔いすることやアレルギー症状が見られなかったのに、だんだん飲めなくなってきたということもあります。
普段からお酒を飲まれる方は、「自分はお酒に強い!」と過信することなく、体調の変化に十分注意して飲むようにして下さい。
「飲めなくなった」ということは、体質によるもので、仕方がないことなのです。

まずはアレルギー診断を!

アレルギー検査
少しでも症状が出たら、アルコールアレルギーの可能性を疑いましょう。
仕事上の付き合いなどで、お酒の席とは切り離せない生活の方も、飲めないと困るからといって無理して飲むのは絶対にNGです。
無理に飲み続けると急性アルコール中毒に陥理、呼吸器や循環器、脳にも悪影響を与える可能性もあります。
措置を怠ったり対応が遅れたりすると命の危険もあるのです。
アルコールアレルギーが疑われる場合はそのままにせず、すぐに病院に受診、診断を受けるようにしましょう。
どんな疾患にも言えることですが、早期に診断を受けることで、その後の対処がスムーズになります。

アレルギー診断はどこで受けれる?

アルコールアレルギーの診断は、アレルギー科、内科、皮膚科のいずれかですることができます。
時間や手間もかかるものではなく、症状を説明するとパッチテストであっという間に診断してくれるので、気を張らず、気軽に受診してみましょう。
さらに、どのくらいの量を摂取し、どのくらいの時間でどのような症状が現れたか覚えておくと、より正確な診断が受けれること間違いなしです。
※場合によっては血液検査で調べてくれることもあります。
検査内容は病院により異なりますので、事前に問い合わせをしておくとより安心です。

家でもできる?簡単なアレルギー診断

アレルギーの診断は、やはり病院で受けるのが好ましいですが、家でも簡単に調べられる方法があります。
ここでは、その方法を2つ紹介するので、どうしても病院に行けないという方は、一度この方法で診断してみましょう。

パッチテスト
1つ目は「パッチテスト」です。
比較的知られた方法であり、病院の診断でも多く行われます。
70%のエタノールを含ませたガーゼ、または絆創膏を二の腕内側の皮膚が柔らかい部分に7分間貼り、少し剥がして肌の色を観察します。
この時点で赤くなっていたらアルコールアレルギーの可能性が高いです。
変化がなければ再度貼り、10分後の皮膚の色を観察します。
赤くなっていればアルコールアレルギーの可能性あり、変化がなければアレルギーである可能性は低くなります。
因みに、パッチテストはアルコールだけでなく、化粧品などでも推奨されており、新たに使用を検討している化粧品がある場合は試してみるとよいでしょう。
パッチテスト

唾液検査

もう1つは「唾液検査」です。
検査キットを購入し、記載の方法に従って唾液を検査機関に送るという方法です。
インターネットで購入することができます。
これは遺伝子的な検査になりますので、そのぶん費用もかかりますが、しっかりと検査したい!という方に向いている方法でもあります。

まとめ

この記事では、アルコールアレルギーについて、どんな症状を伴うアレルギーなのか、その原因や診断方法などを解説しました。
アルコールアレルギーの程度には個人差もあり、軽視されがちですが、非常に危険を秘めたものでもあります。
この機会に、アレルギー反応を起こした場合の症状などをしっかり把握し、自分自身はもちろん、一緒に飲んでいる人の異常にもすぐに気付くことができるようになってくださいね。

プロフィール

山﨑 麻未(Asami Yamasaki)管理栄養士
病院管理栄養士を7年間経験後、妊娠を機に退職。現在はオンラインの特定保健指導やレシピ作成を中心に業務を行っている。子供ができてからは、食の安全性や機能性をより考えるようになり「1食1食丁寧に」を心がけている。

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