2015年に南蒲田に復活した25年の歴史がある老舗パキスタンレストラン「ザイカ (Zaika) 」
ザイカ (Zaika) は京急糀谷駅南口より徒歩2分の場所にあるパキスタン家庭料理のお店です。環八通り沿いにぱっと目を引くイスラムを象徴する緑色の看板が目印です。ウルドゥー語で書かれたザイカとは「味」という意味があるそうです。
外観
インド料理を食べたことがある人は多いと思いますが、隣接するパキスタン料理はあまり知られていないのではないでしょうか。ザイカではインド料理とパキスタンならではの美味しくてユニークな料理がリーズナブルな価格でいただけます。
ハリーム
パキスタンは人口2億3,582万人のうち96.5%がムスリムというイスラム教が国教の国です。そのため豚やアルコールを含まない、イスラム法に則ったハラルの食事が基本となります。料理の特徴はヤギ、羊、牛、鶏などの肉食を好み、隣接するインドや中国、中東の国々の影響も受け地域によってはかなりスパイシーな料理もあります。
骨の髄までじっくりと煮込んだニハリはザイカで人気のメニュー。こちらもパキスタンの代表的な料理のひとつです。とろりとしたコラーゲン状になったスープのなかにプルプルのやわらかい肉がとても美味しい。濃厚でありながら青唐辛子と生姜がアクセントになってさっぱりとした後味です。
ニハリ
他にも肉を繊維状になるまで調理したハリーム、牛足や羊の足を煮込んだパヤ、水気の少ないカレーのカラヒなど、パキスタンらしい肉料理がありますので是非、お試しください。こちらは現地でお祝いに食べられる特別な日のおもてなし料理のビリヤニ。日本でもじんわりとブームになっている、お店で一番人気のメニューです。
マトンビリヤニ
ザイカのビリヤニはチキンとマトンの2種類。伝統的な方法で重ね蒸し丁寧に作っているので、「本場の味」とお客様から評判です。オレンジや黄色、白の色鮮やかでパラパラの香り高いバスマティライスに味の染みたやわらかいマトンが抜群のコンビネーション。ヨーグルトのソースをかけていただくと、爽やかな酸味が加わりより一層美味しく感じます。
鶏肉を串焼きにしたシシャリクは、焼き鳥感覚でパクパクいくらでも食べてしまいそうです。
シシャリク
こちらが鯛をヨーグルトとスパイスでマリネしてタンドール窯で焼き上げたタンドリーフィッシュ。パキスタンのカラチなどの海沿い地域では魚料理もよく食べるそうです。
タンドリーフィッシュ
ザイカのパキスタン料理は、どの料理も手が込んでいて味わい深いものばかり。しかも都内で完全にハラルの料理がリーズナブルな価格でいただけるのも嬉しい。羽田空港が近いのでイスラム圏からの外国人観光客も多く訪れています。
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「ハラル認証」はムスリムにとっての安心マーク、BtoBではビジネスに有利な信頼のマーク
ザイカは2022年より、日本イスラム文化センターのハラル認証を取得しています。そのためお店のメニューは全品ハラル対応で、ビールなどのお酒の提供もありません。日本のレストランにおいて、例えばインドネシア料理やバングラデシュ料理、パキスタン料理などのイスラム圏でムスリム経営の場合はほとんどがハラル対応であろうと予測ができるため、ハラル認証を取得するお店は少ないのが現状です。ハラル認証を取得すると使用する食材や調味料などの変更が自由にできません。更新代もかかるうえ、お酒も提供できないとなると経営を圧迫しかねません。ではなぜザイカはハラル認証を取得したのでしょうか。
ナイム社長に聞いてみたところ、ザイカでもはじめはハラル認証を取得する必要はないと思っていたそうです。しかしある時、お弁当の大型注文がキャンセルになりました。理由を聞いたところお客様からの要望であったのか詳細は明らかにしなかったものの、とにかくハラル認証が無いならこれからは取引きできないということでした。ツアー会社や大手企業との取引は、口頭でハラルだと伝えたところで、そこには理解してもらえない現状がありました。ハラルを知らない日本の企業においてもハラル認証があれば納得してもらえる。輸出だけではなく日本国内のビジネスにおいてもハラル認証が有利であることを知り、ハラル認証を取得することにしました。国内のBtoBマーケティングにおいてもハラル認証は信頼のマークとして機能しているという、非常に興味深いお話しを聞くことができました。
ハラル弁当
ザイカではムスリムが時間を気にせずゆっくりと食事ができるように、2階をお祈りスペースとして開放しています。お店から2キロ圏内には蒲田モスクもあり、ムスリムツーリズムにも適した場所だと思います。ナイム社長も奥様もとても日本語が上手なので、是非美味しいパキスタン料理とともにイスラムの文化も体感してみてください。