異国を感じるアート空間「Tôvira」
植物の生い茂る入口
加茂川と高野川が合流する三角州「鴨川デルタ」より北へ歩くこと15分の場所に、生い茂る植物が印象的な入口を構えるTôviraはあります。
扉を開けると広がる異国の雰囲気。ここは、アーティストインレジデンス機能を兼ねたカフェ、ギャラリー、ゲストキッチン、宿泊施設を展開している空間です。ギャラリーは、8号サイズキャンパスでおよそ20点程を展示できる壁面スペースで、1週間〜1ヶ月間の期間で展示会が開催されていることも。
カウンター席に腰掛けて改めてお店を見回すと、様々な要素が組み合わせって成り立っている空間であることに気付きます。なんでも、2年間かけて建築・産業廃材を市内の様々な場所から集めるところから始まり、それらをアップサイクルさせて作り上げたのだとか。写真に写る大きな流木は太平洋から、反対側の大きな窓の外にある流木は日本海から持ってきたんです、と店主の方は教えてくださいました。空間作りも自分たちでこなしてしまう分、お話をお伺いしている中でお店への愛着の強さを感じたのはとても自然なことなのかもしれません。
個性豊かなドリンク・フードメニュー
アマゾンフルーツシェイク・マラクジャ(¥650)
まず最初に頂いたのは「アマゾンフルーツシェイク」の「マラクジャ」。パッションフルーツの名で親しまれるマラクジャを使ったこちらのドリンクは、キリッとした酸味がクセになります。自家製のシロップで甘さの調節ができるのもポイント。フルーツシェイクには他にも「クプアス」「アサイ」などが選べ、有機コーヒーやハーブティ、アルコール類も充実しており、様々なタイミングで楽しめるドリンクのラインナップが嬉しいですね。
宝盛り(¥1000)
そして、最も楽しみにしていたのが「少しづつをたくさん」盛り合わせた「宝盛り」。この日は「とうもろこしのディル添え」「茄子のマリナーラ」「タプナートクラッカー」など9種がいただけました。多様なハーブを駆使し幅広い味が作り出されたプレート、贅沢ですね。ワインを一緒に注文するのもオススメ。なお、事前に予約しておくことでスムーズに提供してもらえ、かつ少し豪華な内容になるとのこと。
パステウ・ビナグレッチソース(¥550)
宝盛りに続いて注文したのは、「パステウ・ビナグレッチソース」。パステウとはブラジルで親しまれている揚げ餃子のことで、そこに同じくブラジルの定番ソースであるサッパリしたビナグレッチソースがかけられた、Tôvira風の1品に仕上がっています。通常は具材に牛肉が使われるところを甘辛く味つけられたグルテンミートで代用し、パリッとした皮の食感とソースがマッチしてお箸が止まりません!聞けばお店を切り盛りするご夫婦は南米に在住していた期間が長いらしく、見たことのない名前の料理がメニューに並んでいるのにも納得です。
現在は営業時間が15:00〜22:00と、カフェ、ディナー、バーなど様々なシーンで訪れることのできるのも魅力。例えば、お腹が空いている人にはメインが選べる「トビラ・プレート」がオススメ。週替わりの5品、週替わりのスープ、ごはんがついておよそ¥1200はお得ですね。
スイーツから音楽まで、楽しみ方は人それぞれ
2022年6月には「スイーツ・パラダイス」と題して複数のスイーツアーティストとコラボしたイベントをこちらのお店にて開催・第2回の実施も検討されているんだとか!また店主のお二人がどちらも音楽をされているということで、音楽系のイベントにフード出店することも。お酒が好きな方も、アートが好きな方も、様々な楽しみ方ができるのがこのお店の魅力です。「食の選択に関わらずみんなが同じテーブルを囲めるように、こちらで提供するものは全て動物性食材不使用なんです」と店主の方は仰ります。それは、多様な人々が集まるお店だからこそ、大切にされていることなのかもしれませんね。